2010年1月7日木曜日

起業といふこと

「利用者視点の強い信念がなければ技術は育たない」 - 国策スパコン、復活の意義を問う:ITpro

なんだか、IT系(特に技術分野)で起業を考えている人にも通じるものを感じる記事でした。気になったところを好き勝手に抜き出してみます。

研究者による新たな技術や法則の発見などの成果の先には、そこから生まれる製品やビジネスがあり、それを活用する利用者が存在する。すべての研究成果がすぐに分かりやすい形で利用者の目に触れるとは限らないが、それでもこうした利用者目線に立ち、強い信念を持って研究する姿勢が、ビジネスやライフスタイルを変えるイノベーションの最大の推進力になるとわたしは考える。


利用者目線をすぐに忘れがちです。すぐに「作りたいから作る」という穴にハマりそうになります。「使う人から要求されているものを作る」という職業的仕事的目線と「作りたいから作る」という人間的技術者的目線とは分けて考えたほうがよくて、その両方をやっていくのがいいのかも知れない、というようなことに思いを馳せました。

活動資金は研究者にとって欠かせないが、利用者視点の強い信念がなければイノベーションの推進力になる技術は育たない。むしろ、資金がないときの方が、資金に頼ることなく、新たな発想やアイデアが生まれることも多いと割り切って考えることも必要だろう。その上で、活動資金のことを考えるべきだ。


お客さんが付いちゃうと、そのお客さんの意向を汲んでどうこうということが発生したりして、思うような方向に進みにくくなることがあるかと思います。そういうとき、どう考え、どう行動するか、というようなことに思いを巡らせてしまいました。

わたしはよく、「1から10を作る研究」と「0から1を作る研究」があるという表現をする。前者が既存の技術を洗練させてパフォーマンスを高めるための研究で、後者が全くのゼロから価値を生み出すための研究という意味で使っている。


これもバランスとタイミングの問題で、どちらか一方をやっていればよいというものでも無い気がします。起業家としては、「0から1を作る」ようなことを考えたくなりますが、「1から10を作る」ことが利用者視点で”新しい価値”を生むのならば、とても意味があることのように思えます。

ただ、弱者の戦略として、強者と同じフィールドで強者と同じ武器で戦いに向かうのは避けたほうがいい。そのとき、つまり方向性を変えて考えるとき、「0から1を作る」ような方向に向かうのか、「1から10を作る」ような事業を考えるのか、既にアイデアがあってそれに対するスキルの蓄積がないならば、これはもう「1から10を作る」ような事業に向かうのがいいんだと思います。

というような言い方をすると混乱しますが、本質は、「まだ世の中にない武器を持って戦いに行く」ということなんだと思います。

新しい武器を考えるときに、そのアイデアが武器になるかどうか、殺傷能力が高いかどうか、というようなことが分かる嗅覚は、持ち続け、磨き続けていきたいものだと思います。

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